2011年10月24日月曜日

◆ひろとネット-60

42年間にわたるリビアのカダフィ独裁政権が崩壊し、抑圧されてきた市民の間に喜びが広がっています。

私は、リビアに一日も早く平和と安定が訪れるよう、国際社会は、建設的な関与をすべきだと思います。

リビアでは深刻な民族・宗教対立はなく、大半が穏健なイスラム教徒ですが、反体制派内に一部イスラム過激派も含まれるといいます。
独裁政権が保有した化学兵器やミサイルなどの第三国への流出も懸念されます。

リビアでは長期独裁体制の下で民間経済が発展せず、石油利権をほしいままにしたカダフィ一族や深刻な失業を生んだ失政に対し、若者らの不満が高まっていました。

今年2月に始まった反体制デモが内戦に発展し、主要産業の石油の生産が停止しました。
民主化の実現と治安回復、市民生活の再建、石油生産・輸出の再開、社会的影響力の大きい部族間の融和などが喫緊の課題です。

独裁政権下では憲法や議会がありませんでした。
内戦で軍、警察など統治組織を含む政府機能が崩壊し、一から再構築しなければなりません。

円滑な政権移行と戦後復興には、息の長い国際的な連帯が不可欠だと思います。

国連の潘基文事務総長がアラブ連盟や欧州連合(EU)、イスラム協力機構(OIC)などと協議し、国連が警察など治安能力整備を支援することで一致しました。

リビアは原油の確認埋蔵量で世界8位の有力産油国です。
この国の平和と安定は世界に利益を与えます。各国は自国の利益を優先し、石油利権をあさっては絶対にならない。

また、植民地時代の苦い記憶が残るアフリカ諸国は欧米の軍事介入への反発も根強くあります。
欧米各国はリビア国民やアフリカ諸国の感情にも十分配慮し、新生リビアを持続的に支えるべきだと思います。

国際社会は血で血を洗う紛争が世界に拡散しないよう、平和外交で不断の努力を怠ってはならないと強く感じました。

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